僕は透明人間
僕は生まれた時から、透明人間だった。
ねぇ、ママ?
ママに僕は見えないけれど、僕ってとってもかわいい姿をしてるんだよ。
僕ね、生まれた病院で、とっても幸せそうな親子を見たんだ。
その子はね、とってもかわいい笑顔でママのことを呼んでいた。
その子のママはね、とっても優しい笑顔でその子を抱きしめていた。
だから僕、その子になったらママが僕を抱きしめてくれるかと思ったんだ。
だから僕、その子の姿を真似て、ママの側に戻ったんだ。
きっとママもあの子のママみたいに、大好きだよって、抱きしめてくれるかと思ったんだ。