道標
今は珍しいストレート型。
「君の生まれ故郷の駅までは、あとどれくらいだい?」
僕は尋ねる。
女の子は携帯電話の画面から僕へと目線を移し、答える。
「あと三つかな。ねえ、お父さんとお母さんに、あとちょっとで着きます。って連絡しておいたほうがいいかな?」
女の子が僕に聞く。
僕は窓の外の風景を見ながら考える。
そして答える。
「駅に着いてからでいんじゃないかな。それに、電車の中では携帯電話の使用は禁止だよ」
電車は走る。
道路、そして少しずつ大きくなっていく川と並んで。
乗客は僕と女の子の二人だけ。
女の子は、
「は~い」
と返事をし、携帯をポケットにしまう。
そして話し出す。
「実はね、まだお父さんとお母さんに、今日帰ります。って教えてないの。ビックリさせちゃおうと思って。フフ、本当に驚くだろうな、あの二人」
女の子は、駅に着くのが待ちきれない。と言うように、両足をパタパタと動かし始める。
『次の駅は、』
何度目になるか分からない放送。
『お降り口は左側です』
僕の一人旅は続く。
「君の生まれ故郷の駅までは、あとどれくらいだい?」
僕は尋ねる。
女の子は携帯電話の画面から僕へと目線を移し、答える。
「あと三つかな。ねえ、お父さんとお母さんに、あとちょっとで着きます。って連絡しておいたほうがいいかな?」
女の子が僕に聞く。
僕は窓の外の風景を見ながら考える。
そして答える。
「駅に着いてからでいんじゃないかな。それに、電車の中では携帯電話の使用は禁止だよ」
電車は走る。
道路、そして少しずつ大きくなっていく川と並んで。
乗客は僕と女の子の二人だけ。
女の子は、
「は~い」
と返事をし、携帯をポケットにしまう。
そして話し出す。
「実はね、まだお父さんとお母さんに、今日帰ります。って教えてないの。ビックリさせちゃおうと思って。フフ、本当に驚くだろうな、あの二人」
女の子は、駅に着くのが待ちきれない。と言うように、両足をパタパタと動かし始める。
『次の駅は、』
何度目になるか分からない放送。
『お降り口は左側です』
僕の一人旅は続く。