道標



  終

 電車は走り始める。
 今日もまた一つの想いがこの世界から消えていく。
 愛する人のもとへ行く為事故に合い、死んでしまった男。
 死んだことを分かっていながらも願い続けた想い。
 消えそうになりながらも思い続けた『守りたい』
 男がそう想うことは、もうない。
 彼はもう守れたのだから。
 僕の仕事が終わる。
 僕の一人旅は続く。


 自分の力では叶えることが出来ないでしまった想いを導く。
 『道標』
 それが僕の運め。
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