結び目~環のリボン~
「たまちゃん?どっか悪いの?大丈夫・・・」



一瞬



わたしは呼吸が止まっていたようだ。



この炎天下の中、先生の暑苦しい話を聞いていたからに違いない



それとも



頭に力が入らないのは鳴海先輩のせいなのか。



「大丈夫です。先輩。わたし、用があるんでこれで失礼します。わたしの気持ちは変わらないんで・・・じゃあ。」



先輩の隣でまだ熱く語っている先生に一礼し、わたしはその場を後にした。



去り際に、先輩がわたしの肩に手をかけようとしたので



(ヤメテ、サワラナイデ)



わたしは校門を過ぎるまで、力いっぱい走った。



「その有り余る体力をハンドボールにぶつけないか~」



先生が後ろから叫んでいる



「っとに・・・しつこいんだよ!」



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