ヤンデレな君が好き
「ちょっと優君っ‥」
「‥なんだよ」
声はびっくりするほど低い、横から見える顔は恐ろしい程に歪んで見える。
「手ぇ痛いよっ!」
「‥ッ!ごめん‥」
パッと離された手首が真っ赤になっていた。
何でこんな事するんだろう?
しかもなんか怒ってる?
「‥俺、怜が好きなんだよ‥だから」
「は?ちょ、ちょっと待って‥意味がサッパリ分からないんですが‥」
「だからお前が好きだって言ってんだろッ!」
いつもより男前に見える、あんまり意識して見てなかったけど、優君って綺麗ってゆーか男らしい顔してたんだ―
「話聞いてる?」
私はやっと理解出来て真っ赤に顔を染める。
「れーい」
「なによ、悪いけどアタシあんたの事‥」
「きかない、まだ‥聞いてやらない‥」
「ッ、鬼畜なヤツ」
私はクルリと回れ右をして優君から離れて行く。
「危ないから、一緒に戻ろう」
ニッコリ笑いながら私の手をギュッと握り、スタスタと歩く優君。
「‥ちょっと!離し「困って居るじゃないか‥離せ」
さっきの優君より、恐いような甘美な低い声で私を誰かが引き寄せる。
「ナンすか?ムカつきますね、川神先輩」