ヤンデレな君が好き
1・5 金木犀の香
「怜!何処行ってたの!」
クラス中の人が私を見て安心したような顔をしている。
「(何かあったの‥?)」
真緒はギュウッと抱き着いて私から離れようとしないし‥‥
さつきは怒ってるのか安心してるのか、複雑な顔をしている。
「‥何処って保健室に居たけど?」
「だって、川神先輩が此処には誰にも居ないって‥」
私は軽く寒気を感じた
よく考えたら何で先輩は私を知っていたのだろう‥
名前もクラスも‥
それに私を運んだのは先輩の筈なのに‥。
「‥入れ違いになってたのかな?ハハッ、ごめんなさい」
皆を心配させた訳だし、やっぱり謝らないと。
納得したのか、和やかな雰囲気に戻ったクラスの中
一人だけ納得の行かない顔をしている。
「‥優君」
「俺、スゲェ心配したんだからな!」
「んな心配しなくても」
ガタッ!と物凄い勢いで立ち上がると手をおもいっきり引かれる。
私は優と一緒に教室を後にした。