ホスト 神
ゆっくりとパトカーの方を向くと、身長が160センチも無い、古びた背広を着た白髪混じりのおっさんが立っていた。



「おぉ〜古竹のおっさん!未だ少年課に居んのか?歳なんだからあんま無理すんなよ!」



古竹のおっさんは、この街で育った悪ガキなら誰もが一度はお世話になる少年課の刑事…俺とジュンも死ぬ程世話になったし、まだ中坊だった頃は古竹のおっさんの柔道技でポンポン投げられた…俺が柔道技を覚えたのはおっさんの所為。



だが少年院に行かなくて済んだのもおっさんのお陰だった…だから怖いと言うイメージと世話になったという意識が有り、余り無碍に出来る存在では無い。



古竹のおっさんは、薄くなり始めた白髪混じりの頭を掻きむしる。



「だったら出動なんてさせんでくれ!まさか未だギャングごっこがやりたり無い訳じゃないよな?おいジュン!…と言う事はもう一人は信太郎だな!何も無視して通り過ぎる事は無いだろ!」



公園の入り口を見ると、小さくなりながらキャップで顔を隠しながら歩いている二人組が居た。



ジュンと月矢はキャップを取って絵に描いたような愛想笑いをし、月矢は小さく手を振りながら公園に入っていく。



「あっ!どうも。じゃ失礼します。」



「なぁ〜んだ古竹のおっさん居たんだぁ!全っ然見えなかったよ!いやマジで!ちっちゃくて!」



「ジュン…お前引っ張るぞ?(逮捕するぞ)」
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