ホスト 神
「嘘!マジごめんおっさん!」



そう言ってジュンは顔の前で手の平を合わせているが、俺は古竹のおっさんに歩み寄り耳元で囁く。



「一時間で終わるからそれまで我慢してくれよ!その後直ぐ解散するからさ。」



「一時間だけだぞ!それ以上は待たん!それと解散してから暴れないで帰らせろよ。今日は早く帰ってナイター見ながら一杯やりたいんだからな!」



俺は満面の笑みと、手でOKサインを作り公園に入っていった。


今日は月矢の提案したヘルプ集めの面接…ざっと見渡すと公園内に三百人は居る。月矢の呼びかけで[RED・STA]の二代目から現役の五代目まで、手伝える奴に集まって貰った。



月矢はキャップを斜めに被り、同じ二代目の仲間に囲まれて昔話や世間話しをしている。



二代目といっても俺の一つ年下の奴らだから格好も様々…ニッカ履いた現場帰りの奴や、作業着を着た奴、一度家に戻って私服に着替えてきた奴…だが皆その手には、揃いのキャップを持っている。



黒のベースボールキャップに紅い刺繍で[RED・STA]と書かれたキャップ…サイズ調整の所にはそれぞれのシリアルナンバーが刻まれていて、俺が1でジュンが2、月矢は3だ。
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