ホスト 神
ホストを始めてから、会話をしながら他の事を考えるのが得意になってしまった。



でもハルさんに言わせれば、それで良いらしい。



ナンバー1はお客と会話をしながら、周りを気にしていなければならないらしいのだ。



それに未だ五年程しかホストをしていないが、お客と八割ぐらいで話した方が、私を構って欲しいと思わせる傾向にある事も分かった。



これもアニメオタク達の間で流行っている、一種のツンデレと言うやつなのかな?



勿論お客のタイプも様々なので、一概にそうとは言えない。



「ねぇ神君、次は樹里ルイ13世飲みたいなぁ?」



俺は大体高いお酒を入れてくれたお客には、耳元で甘く囁くようにしている。



少しすると、派手な場内アナウンスが耳に響く。



「八番テーブルから樹里さんからぁ〜神さんに〜13世〜頂ましたぁ〜」



そして奥からコールと共に、ルイ13世が厳かに運ばれてきて、若いホスト達と乾杯をする。



[fly]の場合、一度に数本のお酒を入れて貰った場合、その中の一本をお客の指名ホストが一気しなければならないが、一本の場合はその時集まれる、若いホスト数人で乾杯して頂く決まりになっている。
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