ホスト 神
その日俺は朝五時過ぎに、ソープ嬢の真紀と同伴して出勤した。



それからキャバ嬢のナナエとユカリ、クラブの葵が来店し、俺は三つのテーブルを行ったり来たりする。



皆[blue]との事を知っていて、前祝いだとクリュグやシャンパン等を入れてくれた。



途中さり気なく龍一を見ると、昨日俺がやったロレックスを付けている。


龍一も俺に気付き、腕時計をしている左手を軽く挙げた。




それに少し照れながらも営業は終わり、俺はその夜のミーティングで、[blue]が動いてきた事を知る。




動いてきたと言っても、看板に悪戯されたり店の前に置いてある花を潰されたりしたぐらいだが、[blue]が動いてきたのは間違い無い事実。



俺は帰る時に、ナンバー9の凪の顔に絆創膏が貼られているのに気付いた。



凪は順番から言えば月矢の後に入った奴で、[fly]にきた時は未だ大学生だった…笑うと幼い八重歯が覗く可愛らしい顔が売りで、月矢と歳が近い事も有り仲が良い…恐らく[fly]に残ってくれるであろう一人。
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