ホスト 神

「凪、その顔どうした？」



俺に気が付くと、凪は絆創膏の所を撫でながら此方を振り返る。



「いやぁ…今日店に来る途中に変な奴らに絡まれまして…。」



「変な奴ら？」



「はい。いきなりお前［fly］のホストだな？って聞いてきたから、そうだって言ったら殴られて、最後にあんな店に居る自分を恨めって…何か良く分かんなかったっス。そんな事より神さん！絶対［blue］に勝ちましょうね！他の奴らは結構引き抜きの電話とかきてるみたいですけど、俺は絶対［fly］一筋ですよ！」



…驚愕の事実を知り、戸惑いを覚えながらも俺は凪の両肩を押さえた。



「凪！お前今何て言った？」



「えっ？［fly］一筋…。」



俺は首を横に振る…凪は少し上を眺め、先ほどの会話を思い出していた。


「もしかして引き抜きの電話の事ですか？」



俺は首を縦に振る…天然っぽさも凪の売りなのだが、こういう時は非常に困る



「未だ派閥に入ってない新人ホストや無所属の奴らには、結構引き抜きの電話がきてるみたいですよ。」