ホスト 神
ハルさんに凪から聞いた事を話すと、意外な事にハルさんは既に知っていた。



ハルさんはデスクから立ち上がり、テーブルの方へ歩いてきてソファに座る。



「あぁ、そうらしいな。俺もたった今義人から聞いたばかりだ。」



俺は今一意味が良く分からず、思わず聞き直した。



「…義人ですか?」



ハルさんはスーツの内ポケットに仕舞っているタバコを取り出す。



「あぁ。義人には教育係をさせてるだろ?あれで面倒見がいいから若い奴等から慕われてるんだ。それで最近相談されてるらしい。」



ハルさんは言い辛そうに下を向きながら、一拍置いて続けた。



「…それと…内勤になって影から皆をサポートしたいとな…理由は分かるだろう?」



「…ホストは辞めるって事ですか?」



ハルさんは下を向きながら頷き、それを見て俺もそれ以上は聞く事を止めた。
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