ホスト 神
ラストの客も名残惜しそうに帰り、一息付いた所にハルさんがやってきた。



「はい。じゃあ皆大テーブルに集まって。」



夜のミーティングの開始…だが夜と言っても、外の世界じゃ小鳥も鳴くのを止めた朝の十一時過ぎ。



夜のミーティングは大体何時も五分くらいで終わる…その日の客の流れや、その日の売り上げは誰が多かったかなど。



この日は体験入店の奴が一人居た筈…名前は確か………忘れた。



「で、今日はジュンが売り上げ一位、百十五万って所で次が神。その次が今日頑張った月矢って所だな。」



ふと右の方を見ると、かろうじて意識を保ってる月矢が居た。



前のめりになったり、後ろに倒れそうになりながら、何とか立っている状態。



「それで、体入(体験入店)の慎悟、どうする?ホストやってみるか?」


今日はヘルプとして家康に付いていたみたいだ…家康は体入の奴や、若いホストには優しい。入ったばっかのホストは大体一気で潰れていく…其処を家康が助けてやったり、若くてそんなに太くない客を、他の新人ホストの指名客にしてやったりしているが、全ては自分の派閥に入れる為。



家康はそこら辺は物凄く忠実(まめ)な奴…他の派閥は…不本意ながら俺とジュンの8、9人程の小さなものと、まだどちらに入れば良いのか、決め予ている無所属グループ。



はっきり言って俺は派閥なんて作ったつもりは無いし、これから作るつもり無い…のだけれど…。
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