ホスト 神
「ちょっとハルさん!どうしたんスかこの手!」


義人が俺に背を向けた格好で、ハルさんの両拳を持っている。



俺は義人の肩越しから、ハルさんの手に目をやった。





……血だらけだ…それも半端な出血ではない…血の流れ出る様がハッキリと分かる。



俺はオーナー室に一本だけ有る、壁と同色に塗られた鉄骨の柱を見た。



…ハルさんが無数に殴った後が有り、柱からこびり付いた血が流れている。



こんなに成るまで殴ったって事は…恐らく皮膚が破け骨が見えて折れている筈…。



♪♪♪♪♪♪



オーナー室の電話が鳴り、三十人から居るホスト達が一斉に黙った…冷え冷えとした空気の中を俺が電話を取る。



「…もしもし。」
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