ホスト 神
…全く…本当は今直ぐ美月さんの所に飛んで行きたいくせに…強がり言っちゃって。



俺は打ち込みを開始したハルさんの手を持ち上げた。



「まぁ強がり言うのも、痩せ我慢すんのも勝手だけどさ、これは何とかした方が良いよ!」



「痛ててっ!痛いって!お前がそんな事言うから痛いの思い出したじゃねーか!」



ハルさんはそう言うと、俺の手を振り払った。



「動くとこを見ると折れてはいないね!事務所の救急箱に包帯と消毒液有った筈だから。」



そして俺とハルさんは、二人で一階に降りていった。



一階はホールの裏にちょっとした厨房があり、その奥に事務所兼俺達の更衣室がある。



一階に降りると、ネル達五人が今まで教わった事の復習をしていた。



グラスの拭き方や、おしぼりの畳み方、膝掛けが要るかなどを皆でチェックしている。
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