ホスト 神
影人が背中からドンペリゴールドを出してハルさんに渡した。



「これは先ほど頂いたドンペリピンクのお礼にオーナーが持って行けと。景気よく乾杯でもしたらいかがですか?」



ハルさんはイィ〜っと歯を剥き出した。



「いやぁ〜今は飲みたい気分じゃないんだ!誰かコレ飲みたい奴いるかぁ〜?………ほら誰もいない!コレは冷やして後で頂くよ!ネルこれ冷やしといて!」



そう言って一番奥にいたネルにドンペリゴールドを渡した。



ハルさんはネルにドンペリを渡した後、振り返って影人の首元を掴んで睨み付けた。



「おいっ!それから辰樹に言っとけ!どうせなら冷えたもん持って来いってな!」



『ダーハッハッハッ!』


「ハルさんと辰樹じゃ器が違げーよっ!」
「その通り!」
「ハルさんと張り合おうなんて百年はえーよっ!」



影人は悔しそうな顔で奥歯を噛み締めながら奥に引っ込んでいった。





俺も顔は笑っているが……それでも胸の不安は拭えないでいた………。





だが時刻は七時!さぁ開店だ!
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