ホスト 神
「仮にあの女の人が彼女だったからってそれが何って感じだよ!色恋だけが神君の長所じゃないでしょ?私は神君の優しさとか、親身になって話しを聞いてくれる所が良かったから常連になったの!それに神君の指名客なら、神君が困ってる時にこそ協力してあげるべきじゃない?」



店内は静かに美咲の話しに聞き入っていた。



そんな事など知らぬように、美咲は俺の肩に腕を回してくる。



「だから神君!あんな事で離れていく客なんてその程度なんだよ!気にする事無いって!神君なら新規のお客でナンバー1を維持出来るよ!ねっ?飲も♪」



そう言って美咲は、何かを振り払うようにグラスを空けた。



流石は[佐和]の元ナンバー1。上手く挑発して焦燥感を煽る。



美咲は新しくルイ13世を五本オーダーして、化粧直しに行った。



チケットをネルが持って行ったので、旦那さんと気まずい感じで二人が残される。



…嫌みの一つでも言われるだろうな…。
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