ホスト 神
旦那さんはソファをスススッっと横滑りして、俺の横落ち着いた。



来たー…この状況で気分の良い男なんて先ず、居ないだろう。



「僕は嫉妬深い方でね。今日も絶対に行かせないからなって言ってたんですよ。あいつも最初は行かないつもりだったようなんですが、あの写真を見てから私に泣いて頼んできね…神君が困ってるだろうから私は行く!離婚したいならしたらいいって!」



俺はビックリして旦那さんの目を見たが、嘘を言ってるような目では無い。



「そこまで言われたら、情けないが僕も行っていいよってしか言えなくてね…僕も一度見てみたかったから付いてきたんです…でも来て良かったですよ。あいつがあんなに笑ってるのを見たのは、お恥ずかしいですが久しぶりです。これからは僕が笑わせていかなきゃいけないんだなって思いましたよ…でも僕にあの一気は出来ませんね…ハハハ♪」



「あれは慣れないとキツいですからね!」



二人で示し合わせたように、高らかな笑い声を店内に響かせた。
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