ホスト 神
本当に凄い人ってのは偉ぶらないんだと知らされた夜。



…美咲がそんな気持ちで来てくれたのは正直かなり驚いたが…嬉しかった…。



俺はお客様に店に来てもらう事の難しさを再確認した。



「ちょっと〜男二人で何話してんのよぉ〜!!」


「ハハハ!何でもないよ!なぁ神君!」



そう言って旦那さんは、またソファを横滑りして元の位置に戻った。



俺も旦那さんの問いに、今出来る限りの笑顔で答える。



「あやしぃ〜!ダメよ!今日の神君は私の貸し切りなんだから!こんな時でもなきゃ神君の貸し切りなんて出来ないんだからね♪」





美咲と俺は年齢もこの世界に入った時期も近く、よくどっちが先にナンバー1になるかと、競っていた間柄だった。
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