ホスト 神
俺が乗り込むと、そのまま車は発進した。メールではジュンに先に帰る事を伝えておく。



「まだ名前も言ってなかったわね!私は香澄。宜しくね神君♪」



俺は曖昧に頷き、たった今紹介された香澄を見た。


…タイプが美月さんに似て無くもないが、美月さんを天使に例えるなら、この香澄と言う女性は堕天使。それも自分から進んで堕天使になったような気さえする。



天使で生きるには辛すぎるが、堕天使の世界なら生きられる。だから私は堕天使に堕ちた…。



そんな深い闇が見え隠れする香澄に、俺は好奇心が芽生えていた。



しばらく車を走らせた香澄は、細い路地にある創作料理の店に車を停める。



俺も同伴やアフターで色々な店に食事に行ったが、こんな所に店がある事すら知らなかった。
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