ホスト 神
俺は次々にテーブルを回り、ボトルを減らしていく。



…皆に昨日の借りを返さなければならないという意地だけで飲み続けた。



その甲斐あって常連と入れ替わるようにして、帰るお客様が続出する。



影人の方に目をやると、苦虫を噛み潰したような顔で俺を睨んでいる。



俺の方は飲み過ぎた所為で、意識が朦朧としてきていて、影人の顔が二重に見え始めた。



…こりゃ久しぶりにヤバいな…。



俺は指名が入るまで事務所のソファに横になる事にした。





「神さん!神さんっ!」


…ん?……誰だ?俺の体を揺すってるのは…。



無理矢理目を開けると、目の前に居たのはホールマネージャーの慧さん。



「神さん!やっと起きた!もう前終わって今は後の四時半ですよ!今、新規での指名入りました!」
< 248 / 444 >

この作品をシェア

pagetop