ホスト 神
俺はキョトンとした間抜け面で、ハルさんの目を見据えた。



「…え?ハルさんも何やってる人か知らないの?」



ハルさんは落胆の色と共に、深い溜め息を吐いた。



「香澄は俺がまだ[blue]で働いていた時の客の一人だ。あの頃は売れっ子の風俗嬢をやっていたが、俺が[blue]を辞めてからは知らない…あの女にハマられると怖いぞ!さっきみたいに後先考えずに金を使うんだ。流石に俺の時は今程では無かったが…何が目的か分からないが気を付けろよ!」



「…色恋も枕もいらなくて金を使うか…太客だがそれが気味が悪いって事?」



ハルさんは深く頷くと、香澄を待たせられずにフロアに戻って行ったので、俺もハルさんの後ろを付いて行く。



俺とハルさんがテーブルに戻って直ぐに、今度はルイ13世とピンドン五本が運ばれてきた。



他のテーブルは昨日程の盛況さを見せていない。
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