ホスト 神
「大丈夫?まだ酔っぱらってるの?」



…ったく、こういう所は本当に可愛くない女だ。



「あっ!龍一君に意識が戻ったの聞いた?」



俺は背凭れに預けていた体を起こした。



「いつ?」



「今日の朝方。ジュン君と龍一君の派閥の人達も駆けつけてくれたんだけど、すぐに刑事さん達が来て面会は出来なくなっちゃったって、彼女の亜沙美ちゃんが言ってた。傷害事件だからねぇ…。」


…確かに昔ならガキ同士のいざこざで済んだが、今はどんな仕事をしていようが社会的に見たらもう立派な大人。



…俺も気を付けなくては。



「…で、龍一は元気そうか?」



俺は願いも込めて携帯を握り直した。



「うん!まだ話せないけど紙に書いて会話をしてるみたい。でもそれもそれで楽しいって!言葉の大切さを再確認出来たって言ってたよ。やっぱこれから母になろうっていう人は強いね!」
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