ホスト 神
「ねぇ、なんでジュン君そんな格好してるの?」


チハルが隣に座るジュンに話しかけた。



「あぁコレ?今日ナンバー持ちは皆扮装しなきゃいけないんだよ。」



由美が下を向いている俺の顔をのぞき込む。



「じゃあなんで神君はスーツなの?」



…神君?



君?



…由美にそんな風に呼ばれたのは何年振りだろう。



なんで…なんでそんなに余所余所しく接してくるんだ?




「あ、神も午前はタキシード着てたんだけど…汚れちゃったから着替えたんだよ。俺もいい加減飽きたから着替えてくるね!」



大テーブルはパーティ用なので、少し周りのテーブルと離れている。それにハルさんの心遣いで、俺達から遠いテーブル順に客を通してくれてるので、周りにはまだ誰もいない。


チハルはジュンがいなくなってから、取り出した携帯をイジっている。



五分後、白のスーツに着替えたジュンが戻ってきた。
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