ホスト 神

俺も急いで古竹のおっさんの後に続く。



「家康…お前がたれ込んだのか？あ？家康！」



暴れ出した辰樹は、両腕を刑事に押さえつけられ、両膝を地面に付いた形になりながらも、何とか家康ににじりよろうともがく。



古竹のおっさんは一番仕事の出来そうな、三十代くらいの紺のスーツを着た長身の男と話し込んでいる。



「すいません…辰樹さん。それでも、龍一はガキの頃からのツレなんです…龍一をヤったのはどうしても許せなかったんです…すいません。」



家康は汚い歩道に土下座し、左右の瞳から交互に大粒の涙を流しながら辰樹に謝罪した。



古竹のおっさんは話しが終わったのか俺の方に歩いてくる。



「何をするのか知らんが一分だけだぞ！」



俺にそれだけ言い残して、古竹のおっさんは少し場を離れたガードレールに腰を置き、こちらを眺めている。



俺は家康と辰樹の間に立った。



家康が俺の足元を見て、泣き崩した顔を上げたので少し微笑みかけた。