ホスト 神
俺がジュンを呼ぶと、ジュンは俺の前に腕を組んで仁王立ちした。




「くると思ってたよ…いいのか?思いっきりいくぞ?」




俺は小さく頷くと、奥歯に力を込めて歯を食いしばった。




…ってぇ。く〜痛てぇ。




俺の体はジュンに殴られた事により、大きく右半身が崩れた。



ジュンに顔面殴られたのなんて何時以来だろう…口の中が切れて血の錆びたような味がする。


歩道に血反吐を吐き出すと、どこか奥歯の欠片も血と一緒に取れた。




…分からない人には一生分からないかもしれないが、これが俺の…由美を傷つけ泣かせてしまった事に対するケジメ。




「しかし!」



「頼む後藤!」



声のする方に目をやると、古竹のおっさんと後藤と呼ばれた紺のスーツを着た長身の刑事が、何やら激しく口論している。
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