ホスト 神
ハルさんの返事も聞かず、俺はマンションに帰った。



もどかしい手つきでマンションのドアを開け、中に入って由美の姿を探す。




「由美ー!」




…返事がない。




いない?



リビングにも俺の部屋にも風呂場にも、どこにもいない…。



静かに由美の部屋のドアを開ける。





…無い。




由美の荷物が、なにも無い。



ベットもテーブルも鏡も、なに一つ無い。





やっぱり…由美は一緒に暮らせなくなるのを覚悟で店に来たんだ。
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