ホスト 神
「バカヤロー!」



白い壁で囲まれた虚空の部屋に叫んでみても、声は幾重にも反射して俺の胸に突き刺さるように返ってくる。




バカは…俺か。




…そのまま立ち尽くしていると、悲しみの粒が目から溢れ出してきた。


「うぅ…由美…由美ー。」





どれくらい経ったのだろう。




わからない。




携帯を取り出して待ち受けを見ると、まだ帰って来てから一時間も経っていなかった。




そのままリダイヤルにある由美の番号に電話する。




出ない…。




せめて由美がどうしてるのかだけでも知りたい。
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