ホスト 神
それまでにも、俺の体に付いている指じゃ足りないくらいの女と付き合ってきたが、言い寄ってくるのは全部向こうから。別れたいって言われたら笑顔で手を振ってバイバイしてきた。



「ねぇ…ゲッ!奈美とユキと加奈じゃん。」



奈美とユキと加奈は俺とジュンと同じ中学で、学年は一つ上で先輩だったが、先輩などと思った事は一度も無く、学校で会えば軽く冗談を言って話す程度。昔は三人共悪さをしていたが、身なりを見ると今は大人になったらしい。



「なぁ〜んだJJじゃん。中学以来だねぇ〜懐かしい。誰?誰が可愛いく見えたのジュン?奈美?」



髪を緩やかに縦巻きにした奈美が、ジュンに迫るように顔を近付けている。



「ちげぇよ。そんな訳あるか。」



ジュンは顔を離しながら答えた。



「ちょっと、元カノに対してあんまりじゃない?」



…そういえばそうだったな。まぁ、付き合ったのが一週間でも元カノと言うならばの話けど。



「あっ!バカ!それを今言うなって…。」



隣にいた髪を編み込んだユキと、緩くパーマをかけた加奈の顔色が見る見る内に変わっていく。
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