ホスト 神
俺のフランクミューラーの腕時計は、八時四十分を示している。
約束の時間は九時だが、ハイアットホテルは目の前だ。
ハイアットホテルの五十メートル手前には、美月さんが代表取締役を務めている、フラワーショップ[華園]の本店がある。一階は花屋をしていて、そこから上の九階まですべて美月さんのフロア。早い話しが美月さんの持ちビルだ。
約束の時間までまだ少し時間があるので、[華園]で薔薇を一本買おうと、ガラス張りの自動ドアの前に立って中に入っていく。
「タマちゃん久しぶり。」
俺の声に反応して、レジにいた丸い黒縁眼鏡をかけた、愛嬌の有る少しぽっちゃりした店員が微笑んでくる。
「あ、神君久しぶり。今日神君に会えて良かった〜。」
俺は軽く店内を見渡しながらレジに近づいていく。色んな花の心地良い香りが混じり合って、俺の肺まで花柄に染めていくようだ。
「何が良かったの?」
俺は軽くレジに腰をかけた。
タマちゃんは、ちびまる子ちゃんに出てくるタマちゃんにそっくりな上、名前も珠美。愛嬌のある笑顔で[華園]の従業員からお客さんにまで愛される存在。
「私ね、今日で[華園]辞めるの。」
約束の時間は九時だが、ハイアットホテルは目の前だ。
ハイアットホテルの五十メートル手前には、美月さんが代表取締役を務めている、フラワーショップ[華園]の本店がある。一階は花屋をしていて、そこから上の九階まですべて美月さんのフロア。早い話しが美月さんの持ちビルだ。
約束の時間までまだ少し時間があるので、[華園]で薔薇を一本買おうと、ガラス張りの自動ドアの前に立って中に入っていく。
「タマちゃん久しぶり。」
俺の声に反応して、レジにいた丸い黒縁眼鏡をかけた、愛嬌の有る少しぽっちゃりした店員が微笑んでくる。
「あ、神君久しぶり。今日神君に会えて良かった〜。」
俺は軽く店内を見渡しながらレジに近づいていく。色んな花の心地良い香りが混じり合って、俺の肺まで花柄に染めていくようだ。
「何が良かったの?」
俺は軽くレジに腰をかけた。
タマちゃんは、ちびまる子ちゃんに出てくるタマちゃんにそっくりな上、名前も珠美。愛嬌のある笑顔で[華園]の従業員からお客さんにまで愛される存在。
「私ね、今日で[華園]辞めるの。」