ホスト 神
丁度良いぐらいな大きさの瞳。スッと通った鼻筋。形の良い唇。一つとして出しゃばったパーツは無い。ここまで端整な顔立ちは、美月さん以外で見た事が無かった。



だが美月さんと違い、まだ顔全体に幼さと無邪気さが漂うに感じる。



ホストという商売柄、店に来る女の子は皆一様に白いファンデーションを塗り、メイクはどの角度から見ても完璧に仕上げた水商売風の子が多い。ゴージャスに遅れ髪を垂らしてアップにしたり巻き髪にしたりと、服装もドレスや着物。軽服で来るお客様もよく見ればブランド物。



そんな女性達を長年見てきた所為か、動きやすさ重視の服装のこの女性は、凄く新鮮に映った。



「あの…どうかしました?」



目の前の女性が怪訝そうな顔つきで、小首を傾げながら聞いてきた。



「あ、ブルーレースフラワー花束にしてもらえます?それと…其処にある向日葵一本別に下さい。」



その女性はにこやかに笑いながら、気持ちのいい返事をしてレジに向かった。



俺より10センチは小さから、多分170センチくらいだろう。歳は間違いなく俺より年下だと思う。
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