ホスト 神
「素敵な彼女なんですか?」
さっきの女性は、レジの横でブルーレースフラワーを綺麗に包装しながら、一瞬だけ此方に顔を向けて聞いてきた。
「あ、彼女じゃないですよ。此処の社長への誕生日プレゼントです。」
自分でも吃驚するぐらいの、強い口調だった。
黒いエプロンにネームが貼ってあるのだが、その上に研修中と貼られていて名前が解らない。
…別に名前なんて覚えなくていいじゃん。次は何時来るか分かんないし…。
研修中というプレートの陰に見える名前を、一生懸命覗こうとしている自分の姿が、急にアホらしくなった。
危ない…心の闇にある箱を開けてしまいそうだ。
もう既に、彼女に惹かれ始めている事を、箱の中に必死に閉じこめようとする。
俺は臆病な人間だ…嫌われる事や傷付くのを…好きな人が目の前から居なくなる事を何よりも恐れている…。
さっきの女性は、レジの横でブルーレースフラワーを綺麗に包装しながら、一瞬だけ此方に顔を向けて聞いてきた。
「あ、彼女じゃないですよ。此処の社長への誕生日プレゼントです。」
自分でも吃驚するぐらいの、強い口調だった。
黒いエプロンにネームが貼ってあるのだが、その上に研修中と貼られていて名前が解らない。
…別に名前なんて覚えなくていいじゃん。次は何時来るか分かんないし…。
研修中というプレートの陰に見える名前を、一生懸命覗こうとしている自分の姿が、急にアホらしくなった。
危ない…心の闇にある箱を開けてしまいそうだ。
もう既に、彼女に惹かれ始めている事を、箱の中に必死に閉じこめようとする。
俺は臆病な人間だ…嫌われる事や傷付くのを…好きな人が目の前から居なくなる事を何よりも恐れている…。