ホスト 神
一番大きな集団に近づいた時、円の中心に居た奴が立ち上がって此方を向いた。



「神君、久しぶり。」



そう言った信太郎は、俺とジュンが引退した後の次のプレジ（［ＲＥＤ・ＳＴＡ］ではチームの頭をプレジデントを省略してプレジと呼ぶ）になった。


本当は俺達が引退した時に、信太郎も引退する筈だった。



纏める者がいないチームも解散する予定だったのだが、他の者から信太郎がプレジになってこれからもチームを存続させて欲しい。という強い要望から断りきれずプレジになったんだ。




俺達が引退してから、信太郎はチームの方が忙しいらしく、殆ど会ってはいなかった。



「よぉ信太郎、元気か？」



軽く手を挙げてハンドサインを信太郎に送ると、他の者もその場に立ち上がり口々に挨拶してくる。



「最近通りの方で派手にジュン君と暴れ回ってるらしいね。そんなに気に入らないなら、言ってくれればチーム総動員してキャッチ狩るのに。」



そう言い終わると信太郎は、さり気なく俺にタバコを差し出してきた。



箱の中からタバコを一本取り火を付けた…流石現役は情報が早い。



「馬鹿。引退した人間が、そんな簡単にチーム動かせるかよ。それにあんな奴等俺とジュンで楽勝だっての。」



「だろうね。」



そんな話しをしていると、ポケットの中の携帯がバイブしているのに気付いた。
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