ホスト 神

「そう言えば一昨日［華園］に顔出してくれたんですって？神君にブライダルベール貰ったって、タマちゃん喜んでたわよ。タマちゃんが辞めちゃったのは痛いけど、あの子の幸せの為だから仕方ないわよね。だけどその代わりに、いい子が入ってくれたのよ。神君もきっと気に入ると思うわよ？」



美月さんは悪戯っぽく笑いながら、目で俺に視線を送ってくる。




…喜恵の事だろうか？




「あの、それって喜恵…ちゃんの事ですか？」



美月さんは、あからさまにガッカリした表情を見せた。



「なんだ。もう知り合ってたの？良い子でしょ〜？実は私の従姉妹なのよ。」



…これで喜恵の美人の理由が分かった。美月さんと血が繋がっていれば男はイケメンに、女は美人になるはずだもんな。



話しはそこで一旦終わり、俺は少し考えさせて下さいと言い残し［fly］を出た。





俺が二号店の代表に…。




…知らぬ間に空を見上げ、俺は小さく喜恵と呟いていた。