ホスト 神
「はい、これで顔冷やした方がいいよ。何か飲む?」



喜恵はソファに座って、俺が渡した保冷剤受け取り、頬に当てながら静かに首を横に振った。



あれから泣きやみはしたが、ボーッとして焦点があっていない。俺は自分が飲むコーヒーと、喜恵にオレンジジュースを持ってリビングに戻った。



喜恵の前にオレンジジュースを置いてソファに座る。喜恵は俺がソファに座ったのを確認すると、真剣な眼差しで俺を見つめてきた。



「あの…あのビルから出てきたみたいですけど、あのチームの人に知り合いでもいるんですか?」


俺はコーヒーを飲んで、胃の中のアルコールを流そうとした。



「あのチームって[RED・STA]?居る事は居るけど…。」



喜恵は左頬に当てていた保冷剤を離し、前のめりに次の言葉を続けた。



「じゃあ神って人知ってますか?私の何個か年下らしいんですけど。」



一瞬ドキッっとしたが、喜恵の年下なら俺じゃない。



「そいつが何かしたの?」
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