ホスト 神
「なぁ神…俺はお前も知ってる通り、[fly]のナンバー2と言う椅子を蹴って結乃と結婚した。その俺から言わせて貰えば…お前は二択で迷ってるだけだ。どっちが掛け替えの無いモノかを考えろ。それだけだ。」



それだけ言うと、蓮さんは焦げ茶色のドアを開けて戻って行った。



エレベーターが三階に着いた音がして、中からお水風の女性達が降りてきた。



その女性達と擦れ違いながら、俺はエレベーターに乗り込んだ。



路上に出ると、俺の腕に付けたブレゲは、午前二時半を指していた。そのまま細い道を歩いて、俺は[fly]に向かった。



[fly]に着き、黙ってオーナー室に向かった。ハルさんに透の体入の許可を貰い、店の前で透が来るのを待つ。




「あんたジュンって言うんだって?俺が尊敬する神さんも、ジュンさんって相棒がいるらしいんだよ。まぁホストなんて軽いよって、黙って俺に付いてくれば間違いないから。」





そう言うと、透は俺に肩を組みながら、[fly]の中に入っていった。



「おぅ、神。今日は午後から出勤か?ん?誰だその脇の小僧は。」
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