ホスト 神
ソファにもたれ掛かって、良い気分のジュンが居た…不味い。



まぁ仕方無いな…何時かはバレることだ。



俺は肩を組まれたままの形で、入り口の通路に透を連れて行った。




そこには[fly]のナンバー順に写真が並べられている。



…俺の肩に置かれていた透の手が、少しだけ浮いた。



鯉のように口をパクパクさせながら俺と、一番大きい俺の写真を交互に見比べている。



「すいませんでした!」


俺の足下で土下座している透を立たせて、ジュンが首を傾げている前を通り、オーナー室に向かった。



体験入店ぐらい別にどうって事は無い。俺とジュン、月矢には敬語で話すようになったが、ホストに対する透の余裕っぷりは変わらない。



[fly]午後の部オープン。



『いらっしゃいませ!』


「神く〜ん来たよ〜。」


午後一のお客様は樹里。俺が昼に内に、来店してくれるよう頼んでいたのだ。



腕を組んでフロアに入り、透をヘルプに付けた。樹里には事前に了承を貰っている。
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