ホスト 神
由美は下を向いたまま、その小さな肩をまだ震わせていた…そりゃそうだよな…柄の悪い兄ちゃん達が、50人から集まってる所に入ってきたんだ…。





重苦しく長い沈黙が続いた…多分2、3分くらいだったと思うが、俺には一時間にも、二時間にも感じられた。



「…悪ぃ…まさか公園の中に入ってくるなんて思ってなくて……。」



そんな雰囲気を察したのか、周りからは口々に由美への謝罪の言葉が飛んでくる。



その中も由美に一番最初に絡んでた奴…名前はハヤト。身長は190ぐらいで体は筋肉質。道を歩いてた時に、プロレスラーからスカウトされたらしい。





俺がもう一度由美に謝ろうとすると、由美が微かに口を開いた。



「…れてないじゃん……。」



ん?



「絡まれてないじゃんっ!」



静まっていた公園に、由美の怒りが籠もった甲高い声が響いた。



「此奴等俺の…。」



其処まで言い掛けた所で、涙に顔を歪ませる由美を見れなくなり、俺は顔を逸らした。





ゴツ!
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