ホスト 神
外は寒かったが、まだ雪が降るような季節ではなかったので、車で行く事にした。



コインパーキングに車を停めて、久しぶりの［カリブ］に向かった。



［カリブ］の前で喜恵を待っていると、向こうから喜恵が歩いてくる。



いつものラフな感じでは無く、黒のミニにクシャクシャっとした黒のシャーリングブーツ。上は英語部分にラメの入った白いＴシャツに、フードにフェイクファーが付いた茶色いジャケット。



「ごめんなさい。待ちましたか？あの、ミニとか普段あんまり履かないんで、変だったら言って下さい…。」



俺は手を横に振ることしか出来なかった。



「いや、似合ってる。可愛いよ。透は？」



「近くのガソリンスタンドに就職が決まって、今日は来れないって。ご飯はいらないって言われたんですけど、一応作ってきました…駄目でしたかね？」



「良いと思うよ。いきなり距離なんて置けるもんじゃないし…じゃあ、寒いから中に入ろう。」



そして二人で［カリブ］の中に入っていった。
< 423 / 444 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop