ホスト 神
「そうだったんですか。」



「喜恵ちゃんは、彼氏居ないの?」



見なくても分かる…喜恵は俺の言葉に俯いている。



「今は…居ません。彼氏は作らないようにしてるんです。」



ひょっとして、透の事がまだ気になっているのだろうか…。



「…ワーホリ…ワーキングホリディって知ってますか?」



ワーキングホリディ…聞いた事がある。確か二年以内で、外国に語学の勉強と働きに行ける制度だったような…。



「あと三週間でオーストラリアに行くんです。これは一年前から決めてて…だから透も、焦って自立しようとしていたのかもしれません…。」





…言葉が出なかった。





そっか。



「へぇ〜そうなんだ。凄いじゃん、じゃあ頑張って行ってこないとね。」



この時、俺の中で決意が固まった。
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