ホスト 神
そのまま俺は、一人車の中で泣き続けた。




真っ直ぐ[fly]に出勤するつもりだったのを変更し、一旦マンションに戻ってタクシーで出勤した。





今は、浴びるほど酒が飲みたい…。





「失礼します。」



ハルさんはいつものように、デスクでパソコンと睨めっこ中だった。



「おぉ。神どうした?なんか目が赤いぞお前。」



俺は何も答えず、黒革のソファに座った。



ハルさんもそんな俺の気持ちを察してくれたのか、何も言わず俺の正面に腰を下ろした。



「ハルさん、こないだの話しの事なんですけど…。」





それから小一時間ほど、ハルさんと二人で話し込んだ。



「そうか、分かった。美月さんにもそう言っておくよ。」



ハルさんは最後にそう言うと、笑顔で俺をオーナー室から送り出した。
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