ホスト 神
同伴とアフターに日々の時間を費やした為、なんとか指名客全員と会って話すことが出来た。



…裏切られたという言葉には傷ついたが…まぁ、それもホストにとっては誰もが通る道だから仕方ない。



樹里は俺に、最後まで一緒にいると涙ながらに言ってくれた。





それだけでも、俺の五年半のホスト人生は報われた気がした。





日に日に俺の指名客は減っていく。



当たり前だ…これから辞めると分かっているホストに、金をつぎ込む奇特な奴はいない。



全ては、俺の思い通りに運んでいた。



喜恵とはあれから会っていない。メールや電話はたまに来る程度。



同伴とアフターの日々が終わった解放感で、気分の良かった俺は、自分から喜恵に電話をかけた。
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