ホスト 神
「あ、神さんが泣いております。カメラをお持ちの方は、是非撮っちゃって下さい!」



馬鹿テル…。



俺は左手で目を隠し、その場で美月さんとハルさんと乾杯を交わした。



「これで見納めだから、俺の一気見てろよ。」



そう言って、三分の二ほど残っていたドンペリを飲み干した。





…口からは一滴もこぼさなかったが、目からは二、三滴涙がこぼれた。





最後には笑顔を見せてくれた樹里を送り出し、これで俺の最後の営業が終わった。




「じゃあ夜のミーティング始めるけど…神に何か話してもらおう。」



そう言うとハルさんは、手招きして自分の横に俺を呼んだ。
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