ホスト 神
左のページの上半分は俺の写真…その下には[fly]の集合写真。



固まってる俺を見て、横から由美が雑誌を覗き込んできた。



「プッ!アハハハハッ!」



由美はそのまま笑い転げた…俺の写真はカメラ目線で…しかも目にはご丁寧に星まで入っていた。



コメントには【俺が次の時代を作る!】と書いて有る。



はぁ?いつ言った?俺何時そんなこと言ったよ?凡に由美は隣で未だ笑い転げている。



次第に恥ずかしくなってきた俺は、その雑誌を持って部屋に戻った…部屋に戻ってもまだ由美の笑い声が聞こえてくる…気にしないことにした。



白のスーツに着替えて、フランクの腕時計とエルメスのネックレス、お揃いのクロスブレスとピアスを付ける。



さっきの雑誌を持ってリビングに戻ると、由美がニヤニヤしながら俺を見てきた。



「ねぇねぇあの決めゼリフ言ってよ!プッ!クククッ♪」



「早くグッチのネック返せよ!」



そう言ってリビングのドアを思いっきり閉めて玄関に向かう…ドアの向こうからチハルが聞いてきた。



「雑誌は?」



「没収!」



俺が革靴を履いていると、リビングの方からチハルと由美の会話が聞こえてきた。



「えっ?あのコメントって神君が言ったんじゃないの?」



「神があんな事言う訳無いじゃん!まだ神の事わかってないねぇ〜チハル。」



俺は小さな声で、いってきます。と言って玄関のドアを閉めた。
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