ホスト 神
まぁ樹里の話しを聞くと、そんな所だろうと思っていたが…俺はもう一度アッシュを抱き上げた。



「そうかぁ〜たいした事無くて良かったなぁ〜!チュ♪」



アッシュの額にキスをする…俺の横では樹里が頬を膨らまし、アッシュに対して妬いている。



計算通り…俺は右肩にアッシュを抱え、左手で樹里と手を繋ぎ、[カリブ]のガラス張りの自動ドアを入って行った。



「いらっしゃいませ。」


下は黒のスラックス、上は白のシャツで、胸の所に黒い刺繍で、カリブと小さく入っている三十代思われる従業員が、深々と頭を下げた。



[カリブ]のホール主任だ…[カリブ]では、刺繍の色で従業員を見分ける事ができる。黒い刺繍はホール主任。青い刺繍が社員で、緑色の刺繍がまだ研修中らしい。



俺は頭を上げたホール主任に個室にして貰いたいと告げる。



「分かりました。どうぞ此方へ。」



ホール主任の後を樹里と手を繋いぎ付いて行く。少し歩くと主任が立ち止まり部屋の襖を開けてお辞儀した。



「此方で宜しいでしょうか?」



「有り難う。」
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