ホスト 神
樹里は電話を切り、そして彼氏とのプリクラを貼っていた携帯を壁に投げつけた。



その日樹里は今まで進んで飲む事の無かったアルコールを飲んだ…意識が無くなるまで……。



次の日もその次の日も…そんな日々が一週間続いた。



今まで自分の未来は明るいものだと思っていたのに…。



それがいきなり何も見えない暗闇に落とされた…ならば…自分で更に暗闇に落ちていこうと思った。



目を開けていても暗いなら…もうずっと閉じていれば良いんだと思いながら……そう思って家を出た。



死に場所を求めて街を歩いていると、気軽にホストが話しかけてきた…何も言わず、そのホストの後を付いて行った。



そして[fly]と書かれている店に入って行った…アンタ達も私の持っているお金が目当てなんでしょ?



そんな事を思うと、隣に座っている男が急に憎くらしく見えてきた。



いや、隣に座っている男だけでなく、店にいる男、この世にいる全て男が憎く思えてくる…。
< 66 / 444 >

この作品をシェア

pagetop