ホスト 神
「ねぇ。この店で一番高いお酒持ってきてよ。」


隣の男は瞳を煌々と瞳を輝かせながら、何処か奥の方に入っていった…なんだか周りが騒がしい。


さっきの男の周りに、十人ぐらいのホストが着いて此方に歩いてきた…みんな私にありがとうと言いながら。



そのありがとうが、樹里には憎らしくて憎らしくて仕方が無かった…。



男が嬉しそうに隣に座ったのを見て、樹里の静かな怒りは頂点まで達っする事になる。





「一気に飲んでね!」





男から今までの笑みが消えた……ザマーミロ。



飲み終わって少し経つと、男はフラフラとよろけながらトイレの方に消えていった。



直ぐ違う男が隣に座る…此奴は色々話しかけてきてウザい。



「メニュー持ってきて。」



男はそそくさとメニューを見せる…カードは一応2枚財布に入っているけど、さっき勢いで百万以上使ってしまったし……。



今まで服やバックを買っても、最高で三十万くらいしか使った事のない樹里は、その金銭感覚のズレに恐怖感を抱いた。



「ヘネシーエクストラ持ってきて!」



男は一瞬不安そうな顔をしたが、私に有り難うと告げてヘネシーをオーダーした。
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