ホスト 神
そんな私の話しを、神君は茶化すでも、半分上の空でも無く、只黙って頷きながら真剣に聞いてくれた。



一息に全部話し終わると体が軽くなった気がする…私は誰かに聞いて欲しかったんだ。



同情とか反論なんて要らない…私の話しを聞いて欲しかった。





「俺は馬鹿だし、樹里みたいな立派な学校なんて出てない…だから大した事何て言ってやれないと思う…何を言っても変わらないかもしれないけど、親と話しをするなり、今まで溜めていた文句をぶちまけるなりしてみたら、明日からは何かが違って見えるかもしれないよ…それと、もうホストクラブには行かない方がいいと思うな。」



…え?何で?私はこの時、新しい自分の心の置き場所を見い出せたと思っていた。



「…何でホストクラブに行っちゃ駄目なの?」


少し黙った後、神君は私の顔を黙って見つめてきた。



「先ず、昨日みたいなお金の使い方してたら直ぐお金が保たなくなるし、あんなお酒の飲み方してたら体壊すよ!」



…私は何も言えず押し黙った…確かにその通り……だけど…貴男は…私のお金が必要じゃないの?
< 76 / 444 >

この作品をシェア

pagetop