ホスト 神
…でも…その言葉は私にとって大きな救いと成ったんだ…この二週間、自分の価値はお金でしか計れないんだと思い込んで過ごしてきた…。



そんな風に考えてしまう自分の事も嫌いになっている…神君はこの後仕事だからと準備を始め、私にスウェットとTシャツを貸してくれた。



スウェットもTシャツもブカブカだったけど、神君の香水の匂いがする。


それから二人でタクシーに乗り込み、私の家に回ってから神君は出勤して行った。



もう夜中の12時を過ぎ…だが母親は私を心配して起きていてくれ、その後父親も仕事から帰ってきたので、私は心の中に溜まっていた言葉を全て、両親に向かってぶちまけた。



神君の香水の匂いに助けられなかったら、私は此処まで言えなかったかもしれない…親に口答えするなんて生まれて初めての事だったのだから。



意外な事に父親は怒らず、私は大学を卒業するまでマンションを借り、一人暮らしをする事、後二年間は自由に遊ぶと言って部屋に戻った。



私は、あの時呟いた父親の謝罪の言葉を、この先一生忘れられないだろう。



そして私は次の日、親が借りてきたマンションに引っ越した。





その一週間後…私は[fly]の前に居た…神君に服を返す為に…神君は何て言うだろう…嫌な顔をするかな……。
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