ホスト 神
暫くその場で悩んでいると、丁度[fly]のドアが開いて、見た事の無いホストがお客さんを見送りに出てきた。



お客さんを見送って店に戻ろうとしている所を、思い切って声をかけた。


「あのっ!」



ホストは私の声に気付いて振り返り、私の顔をまじまじと見つめてくる。


「いらっしゃいませ。」


この人も神君に負けないくらい綺麗な顔立ちだな…。



「あの…今日神君いますか?」



「本当は店外に呼ぶのは駄目なんだけど…ちょっと待ってて!」



そう言ってそのホストは店の中に入っていった…暫くすると神君が店から出てきて、少しキョロキョロ周りを見渡して、私の事を見つけて歩いてきた。



何かちょっと怒ってるっぽい?でも私の所に来ると笑ってくれた。



「どうした?」



私は紙袋に入れていた神君の服を、感謝の言葉と共に手渡した。



「返してくれなくても良かったのに…でも態態持ってきてくれて有り難う!」
< 78 / 444 >

この作品をシェア

pagetop